新聞の囲み記事を見て久しぶりに声を出して笑ってしまいました。AI(人工知能)が全てのエリアで人間の知能を抜き去って、人間の行動さえ支配するようになる時点をシンギュラリティー(特異点)と言い、2045年にそれが到来するという話ですが、今回の記事を見てそれが早まるのではないかと思いました。つい最近までコンピュータのことを偉大な愚者と馬鹿にしていましたが、実はそれは人間の方で、自分の子供つまり被造物に支配されることも意味します。良い子に育ってくれれば良いのですが…(親が大悪党、大馬鹿者の場合は如何に)。
先日、中国で政府の評判を問うためにAIを利用して国民の意見や人気を調査する試みがあった。質問には、例えば「中国の夢は何か」等があったが、AIが示した解答には「米国への移住」等の名解答があったようだ。AIはビッグデータ(大規模データ)を集め、それに基づき瞬時に最適解を導き出すから、解答は人間が考えるものと似ている場合も多いが、一部の分野ではすでに人間の予想をはるかに超えたレベルの解を出す段階まで来ている。ロジックとルールが厳密に決まっているゲームにおいては最高の打ち手が敗れており、また今後永久に人間が勝利することはない。ゲームで人間が負けない場合がある(勝つことは絶対にない)としたら、ルール自体を変更して最後は人間が勝つ形になるようにプログラムするか、負ける寸前に盤をひっくり返して勝負が無かったことにするしかない。
私が思わず笑ってしまったのは中国の政府にとって好もしい答えが出なかったからと言って慌ててサイトを閉じたことである。それ自体AIに行動を規定されたともいえる。もっと冷静にAIの意見を聞くべきだった。サイトを閉じるという人間の行動があることをAIは瞬時に知り、人間は相当な馬鹿だと早くも学んだ(ディープラーニング)はずである。
この分では2045年を待たずシンギュラリティーが訪れることだろう。(もっとも、その頃までに人類が亡びていなければの話だが。)