少々古くなりますが、今年6月20日付朝日の囲み記事の中に重要な記述を見つけました。
要約すれば、アインシュタインは
1945年1月(*日本敗戦の半年前)に「世界政府」創設が必要であると考えていた。
この創設に批判的な有識者に宛てて、この努力をやめれば「次の世界大戦が起きる」とし、「現代の技術の発展はますます先制攻撃の戦争を引き起こす」と手紙で訴えている。
原爆の開発を米大統領に進言する手紙に署名したことを悔い、強力な「世界政府」による平和実現という考えを持つに到った。
というものですが、アインシュタインのこの思想が今こそ決定的に重要になってきているにもかかわらず、現実はますます絶望的なレベルにまでなってきていると思います。
昨秋には北朝鮮が米国、韓国、日本に対してミサイルと核兵器を誇示して恫喝し(*何を望んでいるのか良く分からぬが)、米国とは互いに汚い言葉で恫喝合戦を繰り返したが(*ロシアのラブロフはこれを幼稚園児の喧嘩と揶揄していた)、今春には両国は突如見かけ上、手打ち式を行った。(*そのロシアや中国も何を考えているのか腹の内は分からない)
もっともトランプ大統領誕生以前から誇り高き老大国であるべき英国が(*国民の所得が移民の所得に押されてきている、という情けない理由で)EU離脱を言い出したし、トランプの「アメリカ第一主義」に倣って先進各国も「自国第一主義」を打ち出すようになり、多くの国でグローバリズムに反する保護主義や右翼思想が優勢になってきている。これはアインシュタインの「世界政府」構想に背き、また核兵器の存在は(*狂気や暴発による先制攻撃に始まって)確実に人類滅亡の危機をもたらす。
ところで、記事のもう一つの主題は、アインシュタインのこの手紙がエルサレムで競売にかけられ、日本円にして72万円で落札されたことである。安すぎはしないか?もっとも、全人類が核兵器の所為で全滅したら安いも高いもないが…。