定年で退職してからの情報入手手段はTVと新聞だけになってしまったが(ネットは軽薄で信頼できず、書籍は高くて買う気がしない)、TVは放送大学からテレ東まで硬軟取り混ぜて、またラジオはNHK、TBSラジオ、文化放送、ほか、新聞は朝日、読売、毎日、産経を気分次第で視たり読んだりしているが、これはこれでなかなか良いものである。
ところで種々雑多な番組に接している中にあることに気付いた。あまり有名ではなく、つまりギャラが低そうなタレントを集めて制作した番組の中で、それが一旦ヒットした暁には、その出演者全員がそろって売れ出し、本業でも花を咲かせるケースがある場合がある。
例えばTBSラジオの赤江珠緒がパーソナリティーを務める「たまむすび」は、曜日別にカンニング竹山、山里亮太、博多大吉、ピエール瀧が日替わりで赤江の相手をする人気番組であるが、初回からあまり日数を経ない中に、全員がそれぞれ本来の分野でも人気が急上昇した。勢いは止まらず博多大吉は現在NHKの「あさイチ」で華丸とともにMCを務めているし、ピエール瀧はやはり問題作「64(ロクヨン)」での演技も評価され、この1月からはNHK大河ドラマ「いだてん」に出演している。(余談ながら、個人的にこの番組には特に思い入れがあって、毎週楽しみにしている。(*拙ブログ:2019-02-15 韋駄天))
他にも、テレビ東京の「バイプレーヤーズ」が良かった。大杉漣、遠藤憲一、光石研、松重豊、田口トモロヲの面々だが(それに竹原ピストルもテーマソングを歌っている)、これら地味な俳優さん達が今やそれぞれ別の番組で主役を張れるようになっている。つまり一つの番組からの出身者が全員それぞれ一流の芸人にになった例である。
また劇団ひとりは別格としてバカリズムや東京03、早見あかりを生んだ「ウレロ」なども人気タレント産出番組であった。脚本、監督、プロデューサーの腕かどうかは判らぬが、当初の期待以上に全員を成功させる不思議な運勢上昇圧を持っている番組は明らかに存在する。
今、この原稿を仕上げた所に悪いニュースが入ってきて、心底参っています。ピエール瀧がコカイン使用で逮捕された模様です。瀧を嫌いではなかっただけに残念でなりません。