2011年3月11日の午後のことである。定年後、絵に描いたようなグータラ生活をおくっていた私は、いつものようにソファーに横になり、どうでもよい本を読んでいた。そこに未曽有の大天災、東日本大震災の発生である。震源地から遠いため、この辺は震度4程度かと思われた。しかし時間の経過とともに情報は混乱し、途絶え、ついに電気や電話も不通となり、全国民がただならぬ不吉な気配を感じる事態になった。新聞やTVのニュースは勿論、無責任な噂やガセネタのネットニュースさえ見られず、ただただ不安と怒りの感情にのみ苛まれて何週間も過ごす結果となった。この被災地域は平安初期の貞観11年にも同じ場所が同じ規模の地震と大津波に襲われた、との記録もあるらしい。現在の我々日本人が知っている大災害と言えば大正12年9月1日に発生した関東大震災がまず頭に浮かぶが、近年の阪神・淡路大震災も忘れられないものとなった。
ところで、この東日本大震災の発生時間、等の公式発表を待っていると、それは2011年3月11日午後2時46分発生、犠牲者1万5千名以上ということだった。通勤、通学時間でなくて良かった、とひとまず思うとともに、阪神・淡路大震災の時もラッシュアワー前の早朝だったことは不幸中の幸いだった、と改めて思い出した。1995年1月17日、午前5時46分、犠牲者6千名以上とのことだった。
大震災からひと月も経つころには、より詳細、具体的に様々な事実が判明した。日本は地理的、宿命的に火山爆発、地震、つなみによる大災害を受けることに加えて今回は原発の爆発という人災までが加わったことを感じた。ここでふと大規模な人災ともいうべき米国の場合の被害も思いだしたので、発生日、規模、等も調べてみた。2001年9月11日、午前8時46分、犠牲者約3千名。ニューヨークではビジネスマンが出勤してくる時間であった。
ところで今回のテーマは数字の怪である。上記の大災害に関わる事実から気づいたことは①災害発生年や日付の末尾のケタは‘1’や‘11’であることが多い、②発生時分は‘46’分が危ない。
‘数字’とその‘並び’は何か怪しいものを隠し持っている、と思う。