2020年、年初中国武漢で発生した新型ウィルスのニュースを見て、これが世界中に脅威を与えながら秋になった今もなお終息しないことを予想した人がいただろうか。
先日、ラジオ番組である有名な経済アナリストが今後の予想を述べていた。彼は独自にデータを集め、得意の統計手法を駆使して年末の状況を予測したそうだ。その結果、第二波、第三波が引き続き発生し、年末にはとんでもない数の感染者が発生する、という結論になった。日本だけの話ではなく、世界中で同じ傾向が続くということだ。
一方、この放送の少し前、感染者数について免疫学専門の某教授の見解を知る機会があった。それによれば年末・年始ごろに、ウィルスの感染と発症は突然終息し、世界は憑き物が落ちたように、1年に渡って苦難に耐えて来たことを忘れるほどだろう、というご託宣だった。
ところで私は基本的に旧来のTV・ラジオと新聞からのみ情報を得ることにしているが、上記二つの極論のどちらが正しいのかについては全く判断できない。今回はネット系のニュースから専門誌までも参照するなど、結構本気でいろいろな情報に当たってみてが、全くチンプンカンプン、混乱が深まるだけだった。その上マスコミに登場する学者や専門家、対策の実行者である政治家の見解や対策がばらばらな上に、見通しもころころ変わるから、益々欲求不満となっている。
さて、前記2件の極論については、私自身はほとんど強い願望をもって教授の説を期待したい。その根拠の一つは、人類が自然免疫をもつに至る可能性がある、ということだ。
また、第一次世界大戦終了とともに終息したスペイン風邪の感染・流行・死者数の状況について如何に過酷なものだったかを示すデータ量に比べて突然終息を齎したことに効果があった対策方法やエヴィデンスの分析資料はほとんど残っていない。人々は恐怖からの解放に狂喜のあまり終息した原因や経緯を分析することさえ忘れたのだろう。